引っ越しで観葉植物や植木を持っていく時の梱包方法や注意点を説明します。
実は引越し業者は運んでくれない?
植物を育てるのが好きなら、植木鉢やプランターが玄関や庭などに飾られている事も多いのではないかと思います。
「引っ越しするならもちろん持って行く」と考えた場合、注意しなければならないのは、観葉植物や植木などは「引っ越し荷物ではない」ため、引っ越し業者に運んでもらえない場合があるのです。
引越しのルールブック(標準引越運送約款)に植物は断れると書いてある
一番の理由として、以下に引用する理由があげられます。
2 荷物が次に掲げるものであるときは、当該荷物に限り引越運送の引受けを拒絶することがあります。
一 現金、有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャシュカード、印鑑等荷送人において携帯することのできる貴重品
二 火薬類その他の危険品、不潔な物品等他の荷物に損害を及ぼす恐れのあるもの
三 動植物、ピアノ、美術品、骨董品等運送に当たって特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送することに適さないもの
四 申込者が第八条第一項の規定によるその種類及び性質の申告をせず、又は同条第二項の規定による点検の同意を与えないもの
引用:近畿運輸局
植物は「運送に当たって特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送するに適さない」という問題があるため引っ越し業者はクライアントから依頼を受けても断って良いと決められているのです。
植物は荷物ではなく、命ある生き物として扱う必要があるからです。
一般的な引っ越しトラックの荷台部分には空調はありませんので暖かい季節にはすぐに高温になりますし、寒い季節は鉄の箱のような物ですから極端な低温になる事もあります。
その過酷な環境で植物のコンディションを損なわずに運ぶのは無理であるとして「負いきれない責任を取る必要はない」と約款で保護されているのです。
ただし、補償の対象外で運んでくれるので見積もり時に確認しておこう
とはいえ「温度管理などはしてもらわなくても良いし、引っ越し後に枯れてもいいから運ぶだけ運んで欲しい」という場合もあります。
以下に、運んで欲しいという希望に対する回答の一例を引用します。
Q
植物は運んでもらえますか?
A
基本的に動植物の運搬はお断りしていますが、植物については、引越荷物といっしょに運搬を希望されるお客様が多いため対応しています。
ただし、枯れや損傷等が発生しても、補償の対象とならないことをご了承いただいたうえでお運びすることになりますので、事前にご相談ください。
また、大型の観葉植物等は積み重ねて運ぶことが難しく、かなりの積載スペースが必要となりますので、大きさや個数によっては輸送手段に影響して見積金額が増える可能性もありますのでご注意ください。
引用:日本通運公式サイト
大体の業者は「荷物扱いでかつ、補償無しで良いのならば」という条件付けで対応してくれます。
荷台に余裕がない場合、割増料金がかかる可能性はありますが、相談に応じてもらえるので見積の段階で相談しておきましょう。
大型植物やデリケートな植物は造園業者に依頼しよう
高価であったり希少な物であったり、理由は色々ありますがどうしても枯らせたくない物は引っ越し業者にではなく、植物の輸送に対応できる専門業者に相談、依頼しましょう。
大手の引っ越し業者の場合、提携している造園業者がないか尋ねて見るとよいでしょう。一例としてこちらのページを紹介させていただきます。
引用:グリーンフォーエバー
こちらの業者では利用対象は法人のみとなっていますが「2m以内の観葉植物」が合計5鉢以内で税込み10,800円、「2m以内の観葉植物合計10鉢以内」で税込み16,200円という価格設定になっています。
観葉植物の輸送専用のトラックを使用し、移転先で適切な設置や水遣りに関するアドバイスも行ってくれるため、引っ越し先で環境が合わずに枯れる危険性を低くする事ができます。
引越しのときはどんな準備が必要?
当日になってからではなく、事前から移動に備えての準備が必要です。
これを守らないと他の荷物が汚れるなどのトラブルの原因になる他、植物自体にもダメージを与えてしまいます。
引越し前日と当日は水やりしない
一番重要なポイントですが、引っ越しの前日と当日には水をやってはいけません。
一度水が切れたように見えても輸送途中の振動で鉢底から水が流れ出て荷物を汚す可能性もありますし、土が崩れやすくなって鉢からこぼれたり根を傷めたりします。
どうしても水をやる必要がある場合は必ず水やりの後に鉢をビニール袋で包んで水漏れの対策をしておきましょう。
代わりに空気穴は忘れず開けておきます。
水鉢の植物は、水を抜いた水鉢に植物を入れたまま運ぶ事はできないと断られるケースがほとんどと思われますので、鉢植えは一度水から上げてビニールで梱包したり、水草の場合は湿らせたキッチンペーパなどで包んだり、水と一緒に空気を入れたビニールに入れるなどした上で、絶対こぼれないよう梱包する必要があります。
土がこぼれたり、傷ついたりしないようにダンボールで梱包する
小さな植木鉢などはダンボールに入れて梱包する場合もあります。
引っ越し業者のダンボールか、みかんのダンボールのような丈夫な物を使います。
薄手の物は底が抜けたり、鉢の破損の原因になったりするので使わないようにします。
そして、どうしても重くなりますから底にガムテープを十字に貼って補強しておくのはもちろん、大きなダンボールにたくさん詰める事は避け、小さいサイズのダンボールを使うようにしましょう。
特に素焼きの鉢などは割れないようにエアーキャップで何重かにして包むなどしてがたつかないようすき間に新聞紙や緩衝材を詰めておきます。
フタを閉じるかどうかなど、梱包の仕方は引っ越し業者に確認しておきましょう。
※引っ越し業者によってはスタッフが梱包してくれる場合もあります。
廃棄処分するときは自治体のゴミのルールに従って処理しよう
輸送コストの関係や業者の手配が整わなかった場合などは残念ですが処分する事になります。
植物は生ゴミ扱いになる事が多いのですが、大きめの木などは捨て方のルールが自治体によって異なりますので必ず確かめて下さい。
鉢やプランターの処分も同様です。
土をゴミに出せない地域の場合は産業廃棄物処理業者に依頼する必要が出て来ます。
その場合、市役所などに尋ねると紹介してもらえるケースもあります。
処分する場合は思いがけず時間を摂られる事がありますので早めに決断して対処しましょう。
まとめ
- 植物は生き物なので「荷物」としての運送を断られる場合もある。
- 引っ越し業者に頼む場合は補償なしの条件で運んでもらう事になる。
- 大型の物やデリケートな物を運びたい場合は造園業者など、植物の運送に対応できる専門業者に依頼する。
- 引っ越しの前日と当日は水遣りをしない。
- ダンボールに梱包する場合は小さめのダンボールを使用し。土がこぼれないように、また鉢が割れないようエアーキャップなどで包んでおくと良い。
- 輸送をあきらめる場合は自治体のルールを守って処分する。
【参考】
引越しでやるべきことを全部わかっていますか?やり残しがあると大変です。
こちら↓の「引越しやることリスト」が引越し準備に役立ちます。
※引越し1ヶ月前~引越し後2週間以内にやるべきことを一覧で説明しています。
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