引っ越しをしたら、引っ越し先に車の保管場所を確保しているという証明書「車庫証明」を取得する必要があります。
このページでは車庫証明はどこに申請するのか、どんな書類が必要なのかなどの手順を説明します。
まず確認を!保管場所には距離やスペースに関する条件がある
車庫証明を取るためには自動車の保管場所を届ける必要がありますが、どこでもいいと言うわけではありません。
まず、「距離に関する要件」が定められており住所から直線で2km以内でなければなりません。
現実問題として、あまり家から離れた場所だと保管場所として届けた場所まで行くのに時間がかかりすぎて家の近くに違法駐車する可能性が高いと考えられてしまうからです。
車庫証明は路上駐車を防ぐための制度ですので、そういう線引きが必要とされているわけです。
また、保管場所に関しては以下の点を満たしていれば駐車専用の場所ではなく、自宅の庭などでもOKです。
- 車全体が道路にはみ出す事なく収容できて乗車が可能な事
- 道路あるいは建物の出入り口などを塞いでいない
また、当たり前の事ですが駐車のために使ってもよい(権利がある)場所で、道路ではない(駐車場、車庫、空き地)場所である事が前提となります。
車庫証明はどこでいつまでに手続きをすればよいのか
車庫証明の届け出場所は「保管場所の位置を管轄する警察署」となります。
手続きの期限は「住所変更で車庫が変わった日から15日以内」です。
受付時刻について、幾つか例を挙げますと東京都の場合が午前8時30分~午後5時15分まで、兵庫県の場合、午前9時00分~午後5時45分と地域によってばらつきがあります。
大体午前9時~午後5時の間辺りを目指して行けば窓口は開いていると思われますが、書類の審査に時間がかかりますのであまり終了ギリギリは避けた方が良いでしょう。
また、曜日等に関しては土曜日、日曜日、祝日、年末年始12月29日から1月3日までを除く「月~金曜日の平日のみ」となります。
車庫証明の費用は?
普通自動車の場合、「自動車保管場所証明書交付手数料」と「保管場所標章交付手数料」が必要になります。
こちらの金額は地域によって異なりますが自動車保管場所証明書交付手数料が2000円程度、保管場所標章交付手数料が500円程度ですので費用の目安としては3000円弱になります。
どんな書類が必要なのか
手続きに必要な書類は以下の通りです。
警察から入手する書類
車庫証明申請書(普通自動車の場合/自動車保管場所証明申請書)
自分の住所や保管場所、車名や、台車番号を記入する用紙です。
警察の窓口からもらうと複写式ですが、公式ページからダウンロードした場合は複数枚に全て記入する事なります。
また、都道府県で異なりますので、かならず管轄の警察からもらうようにしましょう。
※ディーラーからもらえる場合もあります。
所在図・配置図
こちらは保管場所の位置がわかる地図や、駐車場の大きさなどを記入します。
所在図はネットの地図サービス、グーグルマップを貼り付けて利用すると簡単です。
さらに郵便番号や住所を入力すると自動で車庫証明を作成してくれるウェブサービスもあります。
こちらもなかなか便利です。
車庫証明をWEB印刷
もう一つの書類は、自分の土地か借りている場所かで変わって来ます。
自己所有の土地→「使用権原疎明書面(自認書)」
自分1人の名義の土地の場合は良いのですが、夫婦で共有している場合は共有者が記入した自認書も必要となります。
駐車場を借りている場合→「保管場所使用承諾証明書」
駐車場を借りている場合、駐車場のオーナーの記入・押印が必要となります。
また、記入に誤りがあった場合、オーナーの訂正印が必要となります。
賃貸借契約書の添付で代用できる場合がありますので、窓口で確認してみましょう。
自分で用意する書類
印鑑証明または住民票
※こちらが必要かどうかは都道府県によって変わりますので、事前に確認しておきます。
車検証
印鑑
特に受け取りの場合は印鑑が必要ですので忘れないようにしましょう。
軽自動車は届け出が必要な地域が限られる
普通自動車は全国共通で車庫証明が必要ですが、軽自動車は地域によっては必要ありません。
届けが必要なのは東京や大阪を始めとした人口密集地で、スペースが限られている地域です。
届け出が必要な地域かどうかは上記のページにまとめられています。
車庫証明手続きの流れ
1.必要な書類を揃えて、平日の受付時間に窓口に提出します。
2.約一週間後に受け取りに行きます。
の交付予定日は教えてもらえます。
受け取り時に印鑑が必要です。(記入に使った物と同じ物)
書類の記載に問題があれば訂正印で修正します。
修正液は使えません。
また、駐車場を借りた場合、保管場所使用承諾証明書の記入に誤りがあった場合、駐車場オーナーの訂正印が必要となります。
届け出や受け取り自体は家族などの代行も可能です。
ただし、訂正が必要な場合は本人が行わなければなりませんのでその場では受理してもらえず一度持ち帰って出直す事になります。
委任状は必要ありません。
車庫証明を取らないとどうなるか
引っ越しした場合には車検証の住所変更の義務があり、その手続きには車庫証明が必要となります。
住所変更後15日以内に車検証の住所変更を怠った場合は50万円以下の罰金と法律で定められています。
車庫証明の届けをしていない場合の罰則は「車庫法違反」となり、かなり厳しくなります。
- 虚偽の保管場所証明申請→20万円以下の罰金
- 道路の車庫代わり使用→3ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金 3点
- 道路における長時間駐車→20万円以下の罰金 2点
- 保管場所の不届、虚偽届出→10万円以下の罰金
通常の駐車違反などで納める「反則金」は収めた時点で違反行為に対する処理が終了しますが、「罰金」の場合は刑事裁判を受ける事になり、前科が付く事になります。
引っ越しが多く、面倒でやっていない人という人も少なくないようですし、実際に前科が付く事は希という意見もありますが、手続きにかかる手数料や時間と前科が付くリスクを考慮すると、比較するまでもなく手続きしておくべきです。
まとめ
- 車庫証明に使用する保管場所には家からの距離と広さや立地に関する一定の条件がある。
- 届け出場所は保管場所の位置を管轄する警察署。
- 手続必要な書類は申請書、所在図・配置図、自認書または使用承諾証明書、車検証、印鑑。
- 都道府県によっては住民票の写しまたは印鑑証明も必要となる。
- 指定された一部地域では、軽自動車も届け出が必要となる。
- 手続きは必要書類を届けて平日に提出。一週間ほどで交付される。
- 車庫証明を取らない場合は「車庫法違反」となり、検挙されると道路交通法より重い罰則が適用される。
【参考】
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