ガスコンロは、一度設置したらほとんどそのまま動かしません。

引っ越しのとき「さてどうすれば?」と考え込む人が少なくありません。

このページではガスコンロ(ガステーブルコンロ)の取り外し方法や梱包する方法を説明します。

引っ越し先のガスタイプを確認しておこう

引っ越しの時、転居先の住所が確定したら確認しなければいけない事の一つにガスのタイプの確認があります。

ガスは種類が異なると成分が違うためガステーブルが対応してないガス種で使うと故障・事故の原因となります。

ガスの種類は大きく分けて「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」に分かれます。種類を確認するには賃貸の契約書を見ればガス会社がどこになっているか書いてあります。

また、不動産会社や大家さんに尋ねれば教えてもらえます。また、ガスメーターには管理会社の連絡先が、プロパンガスの場合はボンベに管理会社の名前が書いてあります。

ガスコンロとガスホースにはプロパンガス用と都市ガスの2種類がある

ガスの種類の違いをまとめると以下のようになります。

都市ガス→ガス会社が管理するガスタンクから水道と同様に地下の配線を通って家に引き込む。「天然ガス」とも言う。ホースの色は薄いピンク(以前は青)。

プロパンガス→各建物、または部屋毎に設置されたボンベから取り込む。

液化石油ガス。「LPG」「LPガス」とも言う。ホースの色はオレンジ。

プロパンガスのガス質は全国共通ですのでプロパンガスの地域からプロパンガスの地域に引っ越しする場合はそのまま同じガステーブルが使えます。

プロパンガスの地域から都市ガスの地域、または都市ガスの地域からプロパンガスの地域という風にガスの種類が異なる地域に引っ越す場合はそのままでは使えません。

ガステーブルの側面などを確認すると対応しているガスの種類が記載されていますので、現在使っているガステーブルを引き続き使いたい場合は引っ越し先のガス会社に問い合わせます。

もしガスの種類が違うようであれば、部品交換する事で引っ越し先のガス質に対応できるようになります。

料金は部品代が2000円、改造費用は5000円くらいが目安となるようです。

都市ガスは天然ガスのため、産出されるガス田によって性質が異なり、熱量(火力)が違います。

「東京ガス」「大阪ガス」「東邦ガス」「京葉ガス」「西部ガス」と言った主要地域のガス会社で採用しているのが「13A」または「12A」というガス種の物です。

「13A」と「12A」は、熱量は違いますが成分が近いため、一般的な都市ガス用のガステーブルはこれら二つのどちらでも対応できるように設計されています。

ほとんどの都市ガス地域であればこのガステーブルで問題無く使えます。

ですが、現在の都市ガスは7グループ13種類に分かれており、ごく少数ですが6A、5C、L1(6B、6C、7C)、L2(5A、5B、5AN)、L3(4A、4B、4C)というガスが使われている場合があります。

一般的な都市ガス用のガステーブルをこれらの地域で使用した場合、異常燃焼を起こし危険ですので、やはりそのまま使う事はではきせん。

これらはメーカーとしては「特殊なガス種」という扱いになりますので新たに購入する場合、受注生産になる事があります。

買い換えたい場合も引っ越し先のガス会社に相談すると良いでしょう。

ガスホースの外し方は?

※ビルドイン(調理台に埋め込まれているタイプ)のガス器具の取り外しはガス工事の有資格者でなければ行えませんので、以下取り外し、取り付けに関してはガステーブル型を前提に説明します。

元栓を締めてからガス栓から引き抜く

作業前に元栓を締めます。

元栓を締めてからホース、またはソケットをガス栓から引き抜けば終わりです。

ガス栓にはガスホース(ゴム管)を直接差し込むホースエンド型とソケットを使うコンセント型があります。

ホースエンド型の場合はホース止めクリップが付いています。

洗濯ばさみの羽のような部分をつまんで緩めながら抜き取ります。

コンセント型はソケットで接続されています。

ソケットの口の一番先(クリーム色)の部分を押さえて引き寄せるようにするとロックが外れてガス栓から引き抜く事が出来ます。

劣化して硬いときは切り取って新しいガスホースに交換しよう

ホースエンド型の場合、ガスホースが劣化して硬くなってしまい、ガス栓に差し込まれている部分が癒着して引き抜けなくなっている場合があります。

その場合は元栓を締めた状態でガス栓から5㎝ほど離れた辺りからガスホースをハサミでカットしてしまいます。

そして、ホース止めを外してから残ったガスホースに縦に切り込みを入れてむしり取ってしまえばOKです。

劣化したガスホースは危険ですので引っ越し先では新しいガスホースに取り換えて使いましょう。

ガスコンロの掃除

汚れたままでは荷造りの時も引っ越し先での荷解の時も作業の際に汚れてしまいます。

普段はできない部分の汚れも落とすつもりで掃除しましょう。

台所用中性洗剤と柔らかいスポンジや歯ブラシを使う

ガステーブルの汚れはついてすぐであればお湯で絞ったタオルやスポンジでも落ちますが、放置すると焼き付いてこびりついてしまいます。

作業の際は必ずゴム手袋を使用しましょう。

テーブル面の汚れ

  1. 落ちにくい汚れはお湯(水)と台所用中性洗剤を含ませたキッチンペーパーを使って汚れに水分を含ませます。
  2. 汚れがゆるんだらスポンジでこすって落とします。

簡単に汚れが落ちない場合

お湯と中性洗剤で汚れが落ちなかった時は次の方法のどれかを試してみて下さい。

※天板の素材によって若干の傷が付くことがあります。

  • 重曹をペーストにして塗り込み、歯ブラシなどでこする。(水と重曹の比率は1:2)
  • クリームクレンザーを塗り、丸めたサランラップを使ってこする。
  • メラミンスポンジに水を含ませてこする。
  • マイクロファイバーのクロスを使ってこする。

ガラストップの場合はガステーブル用のスクレーパーが300円ほどで販売されていますのでそれを使ってこそぎ落とす事もできます。

五徳・排気口カバー

テーブル面同様、まずはお湯と中性洗剤を含ませた布やスポンジで汚れをふき取り、乾いた布などで水分を取り除きます。

汚れが落ちない場合

つけ置きした後で丸洗いする。

つけ置きの時に重曹を使うと油などを溶かしてくれるので良く落ちます。

煮洗いする。

  1. 五徳や排気口カバーの入る鍋に入れ、水を張ってから30分ほど煮洗いする。
  2. 湯に浸けたまま冷まし、浮き上がった汚れをこすり落とす。
  3. 水気を拭き取って良く乾かす。

バーナーキャップ

お湯と中性洗剤を含ませた布やスポンジで汚れをふき取ってみます。

落ちない場合は煮洗いする事もできます。

水を使って掃除した後は必ず水分を拭き取ってよく乾かしておきます。

炎口が目詰まりしている場合は歯ブラシがガス用のブラシを使ってこすります。

専用ブラシなどを使ってもどうしても傷がついてしまいやすいので力まかせにこすらないようにしましょう。

バーナー本体

ガステーブル本体の、火が出る部分の周囲はやわらかい布で拭き取ります。

中央から温度センサーが出ているタイプは水でぬらして硬くしぼった布で頭部と側面の汚れを拭き取って下さい。

力を入れるとセンサーが傾くなどして鍋底に密着しなくなって正しく機能しなくなる事があります。

立消え安全装置・電極

バーナーから出ている小さな突起部分です。歯ブラシなどで優しく汚れを落とします。

ガスコンロを梱包する方法

ガスコンロを引っ越し先で使う、または取って置く場合はガステーブルが運送中に壊れないように気を付けて梱包します。

グリルや五徳は別に梱包する

購入した時の箱が残してあればそれを使って購入時の状態を復元する形で梱包します。元の箱がない場合はグリルや五徳の他、排気口カバーやバーナーキャップなど、外れる部品は全て個別に緩衝材などで包んで本体とは別の箱に入れます。

くれぐれも普段使っている状態にセットしたまま梱包しないようにしましょう。運送中の揺れで部品が外れて動き、本体または部品自体を傷付けてしまう危険があります。

グリル部分は分解して梱包する方法の他、ガラス部分をエアーキャップやダンボールで保護しておき、本体にセットして養生テープなどの、接着剤が残らないタイプのテープで飛び出したりしないよう本体に固定して梱包する方法もあります。

隙間ができてガタガタしないようにダンボールに詰める

ガステーブルが入る大きさのダンボールに入れ、すき間ができてがたつかないように新聞紙やエアーキャップなどを詰めて固定します。箱の上部にすき間があればそこにも緩衝材を詰めます。

ガラストップテーブルの場合、購入時の箱に収めた場合はぴったりしていて新たに緩衝材を詰める必要はないのですが、箱の外側の上面にエアーキャップ(プチプチ)のシートを貼り、別のダンボールを箱に巻き付けて保護しておくようにしましょう。

ガラストップの破損を防ぐ事ができます。

ガスコードの接続方法

ガスが引っ越し前と同じ種類の物でも、住居の建てられた時期などでガス栓のタイプが異なる場合があります。
その場合はソケットやプラグなどの部品を使う事で接続できます。

ガス栓の接続タイプを確認してしっかり差し込む

ガス栓の接続タイプや取り付け型について、わかりやすく解説された動画をご紹介します。

ガスコードの正しいつなぎ方

この動画ではガステーブルはゴム管(ゴムホース)で繋ぐ事を前提としていますが、住居が新しい場合、ガステーブルやガス器具であってもソケットを使用するコンセント型のガス栓になっている事も少なくありません。

誤った接続方法だと事故が起きますので注意が必要です。ガス栓に赤いラインがない場合はコンセント型ですのでホースを直に繋がないようにします。

接続に使用する部品はホームセンターや通販などでも購入出来ますが、引っ越し先で初めてガスを使用する時は必ずガス会社のスタッフが来て安全の確認などを行う事になっていますので、利用申し込みの時に接続に必要な部品を用意してもらうよう頼んでおけば実費は負担となりますが取り付けも行ってもらえます。

自分で取り付ける場合は立ち合いの前に作業を済ませ、安全かどうかの確認をしてもらうようにしましょう。

引越しのタイミングで処分する場合

引っ越し先ではガスの種類が違う、引っ越し先にガス台テーブルが設置されているなど、不要になった場合は処分する事になります。

処分の方法をどうするかについても幾つかの手段があります。

置いていく場合は大家の許可を取る

まだきれいなガステーブルで捨てるにはもったいない場合など、置いて行ってもいいかどうか大家さんに確認してみます。

特に学生、単身者向けの小規模賃貸の場合は新しい入居者向けの備品にするなど、喜ばれる場合もあります。

ただし「新品でないから安全が確認できない」「次の入居者が持ち込みするのが確定しているので置き場所に困る」など不要と判断されるケースもありますので例え新品に違い物であったとしても「買ったばかりの物だから文句はないはず」などと自己判断して無断で置いて行く事は避けましょう。

後に処分料を請求されるなど、トラブルの原因になる可能性があります。

自治体のルールに沿ってゴミとして出す

一番良いのは、引っ越し前に自治体のゴミ出しルールに合わせて処分する事。

平日であれば処分場に直接持ち込みすると捨てられる地域もあれば、電話で予約して回収してもらう地域もありますので処分方法が不明な場合は役所に問い合わせして確認しましょう。

大手の引っ越し業者を利用する引っ越しの場合、オプションで粗大ゴミの処分をしてもらえる事もあります。
どうしても引っ越しまでに処分する事が難しい場合は最終手段として引っ越し先に持って行き、そちらでゴミとして処分しましょう。

まとめ

  • ガスは地域、建物によって種類が異なるので引っ越し先のガスの種類を確認する。
  • ガスの種類が現住地と異なる場合はそのまま使う事ができないので部品交換するか買い換えが必要。
  • ガス栓の種類によって接続方法が違う。ホースエンド型はホース止めのクリップ、コンセント型はソケットの口部分を押さえてロックを外して抜き取る。
  • ホース接続の場合、ゴムが固くなって外れない時は、ガス栓の先辺りで切り落としてから残りの部分をハサミで割いてむしり取ってしまう。
  • 掃除に使用するのは基本的に台所用中性洗剤か重曹と布や歯ブラシなど刺激が少なくやわらかい物。
  • しつこい汚れを落とす場合、傷が付くのは了解しておく。
  • 外れる部品は煮洗いできる。
  • 水を使った掃除の後はよく乾かしておく。
  • 梱包する時は元の箱があればそれを使い、ない場合は部品を全て外して梱包し、本体とは別の箱に入れる。
  • すき間がないように梱包し、ガラストップの場合は箱の上部にエアーキャップを付けて破損対策をしておく。
  • 接続のガス栓のタイプが合っているか確認する。(ガス線に赤いラインがあればホースエンド型、なければコンセント型。)
  • 引っ越し先で使わないがまだ使えそうな場合など、置いて行っていいかどうかは必ず大家さんに確認し、無断で置いてく事はしない。
  • ゴミとして捨てる場合、予約が必要な場合があるので早めに捨て方を確認しておく。

【参考】

引越しでやるべきことを全部わかっていますか?やり残しがあると大変です。

こちら↓の「引越しやることリスト」が引越し準備に役立ちます。

【一覧】引越しやることリスト

※引越し1ヶ月前~引越し後2週間以内にやるべきことを一覧で説明しています。

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