貴重品は引越し業者が運んではいけない決まりになっています。
自分で貴重品を運ぶ時の注意点を紹介します。
どんなものが運べないの?
引っ越し業者は、万が一の場合を考えて貴重品を運ぶのを拒否できると法律で定められています。
具体的には下の貴重品は運べません。
- 現金等:現金・有価証券・株券・手形・登記簿・クレジットカード
- 預金関係:キャッシュカード・銀行通帳
- 宝飾系:貴金属・装身具
- 身分証明書関係:パスポート・印鑑・印鑑証明・健康保険証・住基カード・マイナンバーカード
- 保険関係:生命保険等の保険証書
- 高級品系:美術品・高級楽器
- 復元不可系:記念写真・形見
- その他:鍵・精密機器・その他書類
現金や身分証明となるもの、高級な美術品などは当然ですが、形見や記念写真といった替えのきかない大切なものも運ぶことができません。
貴重品は補償の対象外
引っ越し業者は引っ越し作業という、不特定多数の顧客との契約に際し、その都度詳細な作業の契約をする手間を省くために、引っ越し約款という定型的に定められた契約条項を利用しています。
簡単に言えば「引っ越し作業の細かい内容・保証条件等について、自分の会社ではこの通りに遂行します」とあらかじめ提示してあるものです。
この引っ越しについての約款は「標準引越運送約款」といい、引っ越し作業を行う全ての会社が用いるものです。
そこには、貴重品について以下のような内容が記載されています。
2 貴重品、壊れやすいもの、変質又は腐敗しやすいもの等運送上の特段の注意を要する荷物(第四条第二項各号に掲げるものを除く。)については、荷送人が第八条第一項の規定によるその有無の申告をせず、かつ、当店が過失なくしてその存在を知らなかった場合は、当店は、運送上の特段の注意を払わなかったことにより生じた当該荷物の滅失若しくはき損又は当該荷物により生じた他の荷物の滅失、き損若しくは遅延について、損害賠償の責任を負いません。
<要点>
- 引っ越し荷物の保証は、業者が荷物の内容物を把握したうえで引き受けた場合のみ
- 貴重品や壊れやすいもの等は、引っ越し業者側に申告をしないで運ばせた場合は保証しない
つまり、引っ越し業者が「この荷物は○○だ」と認識していない荷物が破損したり、壊れたり、紛失したりといったトラブルが起きても、責任はとれません。
ということです。
「この箱の中にはガラスのコップが入っています」と申告された荷物が輸送途中で割れてしまった場合は保証の対象となりますが、たとえばそのガラスのコップがアンティークで非常に貴重なものだった場合は、あらかじめ「この箱の中にはとても貴重で高額なガラスのコップが入っています」ときちんと申告しておかないと、万が一破損した場合「普通のガラスのコップ(数百円~数千円)程度の保証しかできません」と返答されてしまいます。
また、約款では貴重なもの、直接お金に関するようなものは、トラブルを未然に防ぐ意味でも引っ越し業者側が荷物の引き受け自体を拒否できるようになっています。
どうやって運ぶ?
引っ越し業者にお願いできないとしたら、貴重品類はどうやって運んだらいいのでしょうか。
貴重品や美術品はその大きさによって正しい運び方を選択しましょう。
小さいものはできるだけ自分が直接運びましょう。
大きくて持っていけないものは専門の業者に依頼したほうが、万が一のことがあっても安心です。
バッグに入れて自分で運ぶ
現金やクレジットカード、印鑑、預金通帳などの小さめの貴重品は自分で運びましょう。
バッグに入れて新居まで自分で直接持っていくのが一番安全かつ確実です。
小分けにしてしまうとそれぞれがどこにあるかわからなくなりますし、紛失の原因ともなりますので、まとめられる貴重品はなるべくひとまとめにしておくのもポイントです。
引っ越し当日は非常に慌ただしく、家族の他に引っ越し作業員も頻繁に家に出入りするため、貴重品は肌身離さず持っておきましょう。
ウェストポーチやリュック等の“常に身につけていられるけど、両手は塞がらない鞄”を準備すると安心です。
自分で運べない大きな美術品は専門サービスへ依頼する
自分で運べない大きな美術品や取り扱いに注意が必要なものは、専門の輸送技術を持った業者に依頼しましょう。
ヤマトホールディングス
ヤマト運輸のグループ会社であるヤマトホールディングスは、美術品の輸送だけでなく、個展や公募展等について輸送以外にも様々なサービスを行っています。
ヤマト運輸の美術品専門の輸送サービスです。
絵画や彫刻だけでなく、高級家具や仏壇、模型、ジオラマといった繊細な細工のものも対応可能です。
大宝運輸は美術品や楽器など、芸術文化系の輸送を専門に行っています。
海外宛ての輸送も可能なので、海外への引っ越しがある方にもおすすめです。
西濃運輸のグループ会社であるセイノースーパーエクスプレスは、美術品や骨董品などの貴重品を輸送できます。
同じセイノーエクスプレスの引っ越し部門との提携により、国内外の引っ越しに合わせて美術品輸送を一緒に依頼できます。
日本通運の美術品輸送は、誰もが知っている海外の著名な美術品を輸送する際も担当したことのある、実績ある美術品輸送サービスです。
送り先や送るものに合わせて輸送手段等を提案してもらえます。
まとめ
- 引っ越し業者は貴重品は輸送不可
- 申告なしに貴重品が荷物に混入していた場合、破損しても補償対象外
- サイズが小さな貴重品は鞄に入れて肌身離さずに運びましょう
- 大きな美術品等は、美術品輸送の専門業者へ依頼しましょう。
【参考】
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こちら↓の「引越しやることリスト」が引越し準備に役立ちます。
※引越し1ヶ月前~引越し後2週間以内にやるべきことを一覧で説明しています。
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